小荒間木の家

2007年 山梨県長坂町

2007年、山梨県北杜市長坂町で建てた木の家の施工記録

2007年冬、伐採、既存建物の解体、造成を経て、春から工事が始まった。
工事に先立ち、近くの神社に参拝したあと、建物が建つ予定の場所で地鎮祭を行う。
その後、基礎工事に取り掛かる。

の年の冬、現地で新月の日に伐採した木は、製材して乾燥させていた。構造や家具などに、出来るだけ使う予定。
その他の材料は、全て長野県産の材料を使う。
土台はクリ、柱は杉、その他の構造材は唐松と赤松を使用。
材料を工場に搬入、加工が始まる。

現場で土台伏せ、建て方が始まる。
建て方の日はクレーンを使っての作業。
ほぼ1日で棟木まで上がる。

隅木の加工。出来上がると真ん中の写真の様なる。
大屋根は、野地垂木の上に化粧の野地板を張り、更に垂木を付けて断熱材を入れる。
その上にもう一度野地板を張り、防水紙を貼る。
その上が空気層になるため、細かく板材を流し屋根の下地が完成。

峰の四角い箱は、屋根の熱を地下におろして暖房に使う「そよ風」というソーラーシステム。
屋根に「そよ風」の箱が付くため、出来上がると屋根にボリュームが出る。
屋根の作業と同時に、外部の仕上げを行う。

2階の隅の書斎は出窓になる。
外壁には透湿防水紙を貼り、横に桟木を入れて唐松の板を縦張りする。
右の写真は、板張りをほぼ終えたところ。

外部の仕上げと同時に、内部の造作も始まる。
真ん中の写真、右下に見える梁は現場に生えていた赤松を使用したもの。
右の写真は杉の床板(厚み36ミリ)を搬入したところ。

階段の造作。
断熱材を入れ、石膏ボードを張り左官仕上げの下地とする。
台所周りも全て手作り。

外部の塗装、内壁の塗装・左官工事など、施主さんの知り合いや希望者が集まり、数回のワークショップで行った。
真ん中の写真は、玄関の下駄箱。現場で伐ったミズキを使用。
右の写真は、ほぼ完成した2階の様子。

上棟式の時、施主さんに棟札をお渡して、文字を書いて頂いた。その裏面に、施主さんの思いが綴られている。「地球のめぐみ、人のつながりに感謝して」
2階の寝室から、バルコニーに出られる。桧製。
風呂桶も桧で出来ている。

完成した室内の様子。
今回は、ビオフォルム環境デザイン室(代表:山田貴宏氏)の設計による住宅の施工を担当させて頂いた。
地産地消という観点から、出来るだけ現場近くの材料を使い、現地で伐採した木も家具や建具、構造材やデッキ材として全て利用させて頂いた。

このお宅が出来上がるまでを、施主さんがブログで詳しく書いておられますので、興味のある方はご覧下さい。

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