富士山の見える家

2009年 長野県

2009年「富士山の見える家」工事記録。出来るだけ新建材を使わず建てる家。

基礎工事。ベースの下にマイコマを埋設し、地盤改良を施す。
出来るだけ自然素材だけを使いたいが、予算や法律との関係で、コンクリートの布基礎はしなければならない。

マイコマを埋設したところに砕石を敷き、鉄筋を配筋、ベタコンを打設し布基礎を立ち上げる。
床掘りから型枠工事まで、ほとんど一人で行なった。

ベタコンと布基礎のコンクリート打ちの際、ポンプを手配した。
布基礎の上に土台を据える。ヒノキ材。

予算や工期の都合で、今はプレカットが多いが、今回は手加工による刻み。
この規模の土台と大引きなら4、5日の工期。

躯体の、構造材の刻み。材は地の赤松。去年の冬に伐ったもの。

垂木をかけ、野地板を張る。

野地板の上にルーフィングを張る。
その上に横、縦に垂木を取り付ける。断熱材と空気層の下地。

断熱材として、籾殻燻炭を入れ、その上に板を張り押さえる。この日は風が強く、とてもやりにくかった。その板の上が空気層。
更にその上に地板を張り、屋根下地の完成。

屋根材はロールになったアスファルトシングル。最も安価な屋根材料。後日、余裕が出来たら、この上に瓦を載せる予定。後からそういうことが出来るのも、この屋根材の利点。
軒裏から入った空気が、棟から抜けるように、棟換気を施す。
外観と内部の様子。

1階部分の外壁にタタミを張り断熱材とする。いわゆるタタミハウス。
そこに通気性のある防水シートを貼り、ラス網を張ってモルタル下地とし、土壁で仕上げる。
玄関扉がつく場所に、防犯のため仮の扉をつけた。

土壁を塗った外壁が乾くと、良い色になる。
1階部分、南側と西側に下屋を出すための工事。
独立基礎を据え、そこに柱を立て屋根を出す。独立基礎は自分で型枠を作り、コンクリートを流し込んで作った。下に行くほど広くなっているこの形は、地面の凍結による浮き上がりを防ぐ効果がある。
垂木を受ける桁をのせる。

垂木を掛けた様子。垂木の影が壁に映って、何ともいえない美しい模様を作っている。
垂木の上に野地板を張る。室内が暗くならないよう、窓の位置に天窓を作った。この上に強化ガラスを載せる。
屋根材を貼って下屋の完成。
住宅に、こういう半外のようなスペースがあると、何かと便利だ。天窓や透明な波板などで、室内が暗くならないよう工夫が必要。

下屋が出来たことで、外回りの工事が一段落。内部の造作工事にかかる。
床の下地。厚さ12ミリの杉板を捨て張りし、その上に転がし根太を載せ床板を張る。床板は厚さ15ミリのヒノキ本実板。キッチンやトイレなど水周りは、防水仕様のコルクタイルを敷く予定。
玄関土間にスペイン製のテラコッタタイルを張った。目地はモルタルにベンガラを混ぜて、タイルの色と合わせた。タイルは少数単位なら、アウトレット品など、品質の良いものが安く買える場合が多い。

内部の造作。キッチンの作業台兼収納棚。今では、安くて品質の良い集成材の板が簡単に手に入るので、作り付けの棚を作るのによく使っている。樹種も用途によって、色々と選ぶことができる。ここでは天板はタモ、その他は杉の集成材。引き出しを作れば完成。
2階の床張り。材料は長野県産のヒノキ。いつもお世話になっている伊那の製材所から入れて頂いた。厚みは15ミリ。当然のことながら、板モノは厚いほど良いに決まっているが、値段も材積が増えるほど高くなるので、今回は厚み(値段)を押さえ、その代わりに杉板12ミリを捨て張りした上に施工した。2階なので、防音シートを間に入れてみた。厚さわずか1ミリのゴム製のシートだが、これだけで下に伝わる音がずいぶん軽減された。

棟札を取り付けた。字は嫁さんの親父さんに書いてもらう。普段から筆で字を書いている人だけに、かなりの達筆。頼んで良かった。
キッチンの収納に引き出しを付ける。重いものをしまうので、スライドレールを取り付け開閉をスムーズに。閉まる直前クッションが働き、緩く閉まるすぐれもの。

2階の外壁を板張りに。
キッチンもだいぶ仕上がってきた。白い部分はホーローのパネルを張ってある。
玄関には流しと縁台をつけた。

2階の内部、階段の周囲に手摺を取り付ける。
予算の都合で、建具も自作した。1日に3本のハイペース。

つづく

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