先日図書館から借りてきた本。
木でチリトリを作ってから、最近、自分の中で昔の道具に対する関心が高くなっている。
そんな折り、仕事帰りにたまたま寄った図書館で見つけたのがこのいくつかの本。
昭和前半の写真が多いようだが、貴重な写真も多いと思う。とても参考になった。
特に興味深かったのは、以前から気になっていた箱膳。
ちゃぶ台が登場する前、一部の地域では多くの家庭で箱膳が使われていたそうだ。
僕が箱膳を知ったのは、以前茅野で行われた写真展でその写真を見てから。
叔母に聞いたところ、実際に使っていた記憶があるとのこと。
叔母の話では、家族それぞれの食器はそれぞれの箱膳に収められていて、食事の後、使った食器はわざわざその度には洗わなかったそうだ。
ではどうしたのかというと、食べ終わった茶碗にお茶を入れて、漬物などでご飯粒などを落とし飲み干していたのだとか。
確かにその記憶は僕にもある。
子供の頃、明治生まれの祖母が食後によくそうやって茶碗をきれいにしていた。
それにつられて、家族全員が食後のご飯茶碗でお茶を飲んでいたものだ。
「汚い」と言わないでいただきたい。
現在のように蛇口をひねると水が出てくるその前の時代、洗い物はすべて家の外で行われていたのだ。
雨の日も雪の日もある、しかも電気も来ていないような時代、毎食後食器を洗うような非効率的なことはやりたくないのは当然のこと。
当時の生活が身近に感じられ、その頃生きていた人たちの生活の知恵がこの箱膳にも詰まっているような気がして、大好きな道具の一つ。
今度作ってみよう。