昨年新しい加工場が出来るまで、建築工房藁の加工場として使っていた古い建物を現在リフォーム中。
内部の壁はもちろん、木ズリに砂漆喰。
木ズリ下地がほぼ終わった。
今日から左官屋さんによる塗りが始まった。
自然住宅と謳いながら、合板や石膏ボードを使っている住宅メーカーを時々見かけるが、自然住宅を名乗るのであればせめて石膏ボードは排除して木ズリに土壁もしくは漆喰を塗ってほしい。
やってみると意外と簡単、予算もそれほどではないはず。
何よりもゴミが少なくて済むし、工程もシンプルになるので、手間も思ったほどはかからない。
一度やってみると、石膏ボードに後戻りできないほどだ。
左官屋さんの仕事も増えるし、伝統的な建築の継承という意味でももっと広まっていい工法だと思う。
木ズリ漆喰のもう一つのメリットは、防耐火性能。
先日静岡で行われた安井昇さんが講師を務めたセミナーでも再確認したことだが、残念ながら不燃材が必ずしも火災の時に人命を救う役割を果たすとは限らない。
むしろ可燃材である杉板の方が、炎と反対側の表面温度は低く、しかも燃え抜ける時間も材料の厚みによっては避難するのに十分な余裕があり、より優れているということを実験で確認した。
そういうことは昔から経験としてわかったいたことで、それを認定とか法律とかで縛った結果、認定を取っていないというだけで、杉板や漆喰が人の命を救う防火性能から排除されているのが現状のようだ。
建築工房藁では以前から、内装材として木ズリ下地砂漆喰を標準仕様としており、理解のあるお施主さんには提供をさせてもらっている。
そのモデルともなる今回のリフォーム。
この以前の加工場は改修後、藁の事務所兼ギャラリーとして使っていく予定。