寄りたくない場所

出来れば行きたくない、という場所が幾つかある。
病院や警察などもそうだが、中には、会社と言う人がいるかもしれない。
行きたくない場所は人によって様々だが、僕の場合、高速道路のサービスエリアの中にある食べ物コーナーにはあまり行きたくない。なぜなら、あそこはどうも落ち着かない。食事をしていると言う感じがしない。
それなら寄らなければいいじゃないか、と言われそうだが、高速道路を長時間走っていると、安全上休憩が必要だし、それが食事時となれば、ついでにメシでも、となってしまう。休憩や食事のために、わざわざ高速を降りるという人はまずいない。
と言うわけで、今日もつい立ち寄ってしまったのだが、いつも以上に後悔した。
中央道の某サービスエリアは、お昼時でものすごい混雑。空席がほとんどない状況だった。食券を買ってカウンターに出し、待っている間ボーっと厨房の様子を眺めていた。
こういうところの食事は、冷凍食品かレトルトがほとんどだ。職員は冷凍食品を温めたり、電子レンジで加熱したりして、次々と麺類や丼物を生産している。
後ろを振り返ると、たくさんの人達が、それを食べている。「お前ら、おいしいと思って食べてるのか?」と聞いてみたくなったが、もうすぐ自分もその中の一人になって、それと同じものを食べるのだ。
中央道の南信エリアには、ソースカツ丼を出している所が多くここでもメニューに載っていたが、売れ筋らしく注文が多いようだった。
作り方は、いたって簡単。四角いお盆の上にご飯の入ったどんぶりを並べ、その上に千切りのキャベツをのせる。あらかじめ用意されたカツを電子レンジで暖め、ソースにドボっとつけてその上にのせれば出来上がり。それが料理かよ!
その単純作業を眺めていると、カツをソースにつけていた親父が、どんぶりにのせようとしていたカツを下に落としてしまった。ああもったいないと思って見ていると、なんとその親父そのカツを拾ってどんぶりの上にのせてしまった。おいおい!本当かよ!ひどいもんだ!ソースカツ丼頼まなくて良かったよ。
その様子を見ていて、自分が高速のサービスエリアに寄りたくない理由が少し分かった。あそこで働いている人は、食事を出しているという意識がないのだ。おそらく工場で働いている感覚なんだろう。
料理は心、と言われるけれども、あそこの料理には、気持ちが全くこもっていないのだ。
道路公団も民営化されたが、中身は変わってないんだろうな。どこのサービスエリアに寄っても全く同じ、あの調理のシステム。みんな本当に良いと思ってやっているんだろうか?何とかすればいいのに。

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