餃子は大好きな食べ物の一つ。今までの人生、餃子にまつわる想い出も多い。
子供の頃、家が飲食店を営んでいて、餃子がメニューに載っていた時期があった。祖母と母が居間で毎日のように、何百という餃子を包んでいた。ある年の誕生日、夕食に何が食べたいと聞かれ、迷わず「餃子」と答えたものだ。祖母や母の手作り餃子、味は忘れてしまったが美味しかったな。
今まで食べた中で美味しかったベスト3に入るのが、台湾で食べた水餃子。台湾では1年間生活したが、そこの食堂では台湾人のおばちゃんが3食食事を作ってくれていた。そのおばちゃんが作る水餃子は絶品で、台湾では他でも水餃子はたくさん食べたが、これに勝るものはなかった。台湾では水餃子は主食で、日本のようにおかずとしてごはんと一緒に食べる事はしなかった。水餃子がメニューの日は、朝学校に行く前に「今日は水餃子を作るが、いくつ食べるか?」と聞かれ、30とか40とか答えていたと思う。台湾の水餃子は、餃子を茹でたお湯でスープを作るのも特徴で、これまた絶品。水餃子の日は餃子とスープだけというシンプルなメニューながら、その日が待ち遠しかった。あの水餃子、またいつか食べてみたいな。
台湾では水餃子が一般的だが、日本では何と言っても焼き餃子だ。餃子はカレーや焼肉同様、もうすっかり日本食と言っていいかも知れない。日本で食べた餃子で衝撃的うまさだったのが、金沢で食べたホワイト餃子だ。だいぶ前にこのページでも紹介したが、お饅頭のような形で、焼くというよりも油で揚げるという感じ。その割りにあっさりとしていて、とても美味しかった。フライパンの形に焼きあがった餃子が印象的だった。
今でも餃子はお気に入りのメニューだが、最近では冷凍や惣菜もの、生の餃子を買ってきてうちで焼いて食べる、ということが増えたかな。なんだかちょっと味気ない。それでも時々、嫁さんが皮を買ってきて包んで焼いてくれることがある。餃子というのは結構難しくて、皮も大事だし、具の作り方でも味が違ってしまう。そしてもう一つ、焼き方も重要だ。いつもなかなかうまく行かない事が多いのだが、この日の餃子は、皮選びも、具の味付けも、焼き具合も、とてもうまくいった。
なんでも前日に、ママ友が料理教室に誘ってくれて、そこで簡単な餃子の作り方と焼き方を教わったらしい。この日の餃子は子供達にも大好評。特に2番目の3歳男児なんて、まだ食うのか、と言うくらい食べていた。これが買ってきてものにはない、母の味なんだよな。そういうのが子供の記憶に残るんだな。
うちの餃子もだんだんとレベルが上がってきたようだ。まだこれから餃子にまつわるエピソードが増えそうだ。