日食

今月(7月)22日、日本でも各地で日食が観察できるということで、メディアでもその話題でずいぶん盛り上がっている。
ちょうど夏休みと重なり、子供たち相手の観察会なども各地で開かれるようで、タイミング的にもばっちり。
何でも日本で観測できるのは、46年ぶりなのだそうだ。ちなみに、それはぼくが生まれる前の話。

ところが以前、図らずも日食に出くわした経験がある。しかも皆既日食。
今から18年前、メキシコシティーにいた時、偶然皆既日食を見ることが出来た。時刻は午後2時ごろだったと記憶している。
その時刻が近づくにつれ、徐々に太陽が欠け始めた。だんだん辺り暗くなり、太陽が完全に月の陰に隠れる頃には、昼間というのに真っ暗になった。そして、空にはなんと星が現れた。周りでは動物が騒ぎだすし、道を走る自動車はみんなヘッドライトを点灯。わずか数分だったが、突然夜が訪れ、そしてまた突然昼に逆戻り。何とも不思議な体験だった。

その時はきれいなリングを見ることが出来たが、無謀にも裸眼で観察した。まあ長くても数秒だったので、その後の影響はないと思うが‥‥。
その時、知り合いの人からわざわざ電話が掛かって来て、特に妊婦は絶対に直接リングを見てはいけないと忠告を受けた。
何故妊婦はだめなのか、それ以外の人は良いのか、その理由はよく分からなかったが、今思えば妊婦さんに限らず、観察には専用の器具を使うべきだと思う。

メキシコで日食を見るというのには、もう一つ別の感慨があった。
よく知られていることだが、マヤの遺跡は、太陽と月の動きを元に作られているものや、中には天体観測を目的に作られたものまであって、まさに日食などの天体の動きとはとても縁が深い。
マヤ文明の日食にまつわる逸話は数多くあって、かなり以前から日食や月食など、正確に予測できていたらしい。
そんなマヤの遺跡が数多く残るメキシコで、皆既日食を見ることが出来たのは、偶然とはいえとてもすごい事だったのだと思う。
その翌日、別の知り合いの人から、「皆既日食を見れただけでメキシコにいた価値があった」と言われたが、今思えば本当にそうかもしれない。

さて、今回の日食。
日本のほとんどの地域では部分日食で、それでも関東地方では7割ほど太陽が欠けるらしい。そこで今回、是非木漏れ日を観察してみたいと思っている。
小学生の頃理科の実験で、ダンボール箱に穴をあけてやったピンホールカメラの原理で、光源の形が影となって映し出される。
太陽が欠けている時間、木漏れ日の形が三日月型になるのだ。これを是非写真に収めてみたい。
ぼくにとっては19年ぶりの日食。当日は、カメラ持参で近くの林に向かう予定。22日の天気が心配だ。

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