新月伐採

この冬は、3箇所で合計およそ70本の木を伐採した。
樹種はアカマツ、カラマツ、シラカバ、キハダ、クワ、その他雑木。
今回、新月の日に木を伐る、いわゆる新月伐採を試してみた。
建築などに使う樹木を伐採する場合、最低でも冬に伐るのが条件だと思っている。
水分の多い夏場に伐った木は、捩れ、割れ、狂いが起きやすい上、ちょっと油断するとすぐカビてしまう。特にアカマツは、伐る時期によってすぐに青いシミが入ってしまい、そうなると化粧材としては使えない。
新月伐採は、もちろん冬の新月に伐るのだが、新月の直前の3~4日がベストのタイミングで、冬を3ヶ月とすると、1年間で合計12日間しか木を伐る日がないというこでとても制約が多い。
そもそも新月伐採という考え方は、ヨーロッパ(オーストリア)から始まったようで、日本ではまだなじみが薄いようだ。
確かに効率だけを求めると、そんな事はやってられない、となってしまう。
でも木を伐る時期というのは、とても大事だと思う。

新月に伐採したカラマツ

木だからわかりにくいが、これが竹や草だとよくわかる。
竹は昔から、水を上げていない時期(冬場)に伐るものと決まっている。春や夏場に伐った竹はもろく、虫もつきやすい。
草や藁はもっとわかりやすい。青いうちに切った草や藁は、積んでおくと腐ってしまうが、立ち枯れた草や藁は、濡らさなければいつまでもそのままだ。
要するに、そのもの自身が水分を含んでいるのかいないのかが、とても重要なのだ。
本場(ヨーロッパ)の新月伐採は、葉枯らし(葉をつけたまま放置して木の水分を抜く)をする念の入れようだが、今回はアカマツ以外、葉がついていない落葉樹だったので、新月伐採と葉枯らしの相乗効果は確かめる事が出来なかったが、一応アカマツでは葉枯らしもやってみた。
ヨーロッパで葉枯らしする木は、ドイツトウヒなどの葉が密な樹種なので、日本のアカマツではとても比較にならないと思う。せめてスギやヒノキくらい葉がついていないと、あまり効果はないと思われる。
それでも、やらないよりはやったほうが良いと思って、今回アカマツの葉枯らしもやってみた。
結果は、、、。果たしてどうなんだろう。
今は人口乾燥という方法が一般的で、いつ伐採しても製品になった時にそれほどばらつきがないのが現状だ。
そんな時代、日本で新月伐採はどのくらい注目され広まるのか?
効率が悪いしあまり普及しないかもしれないが、そうした、本当はそれが正しいという方法が、見直され広まっていく世の中が、実は正しい世の中なのかな、と思ったりするのだ。

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