今住んでいるのは借家だが、玄関前には立派な生垣が植え込まれていて、それを1年に1度、今の時期に剪定するのが重要な仕事になっている。
昨年は、忙しさにかまけて上の方まで刈り込めなかった。そのせいでご覧の通り伸び放題になっていた。
夕方にはこんなにすっきり。ちょっと刈りすぎたかな。
この辺りには立派な生垣の家が多い。それは火災の時、隣の家からの延焼を防ぐ役割と、同時に雪風雨を防ぐ役割も果たしていた。
剪定をしていると、近くの年寄りが来て「何年か前、うちの生垣を切ったら、土蔵に雨がかかるようになって壁が傷んできた」というような話をしていった。確かにそういうことはあるだろうな。
生垣を家の周りに植えるというのは昔の人の知恵で、家を守るためにそういう工夫をしていたのだが、その効果は、今のどんな新建材よりも優れていたと思う。
でも今は、そんな手間のかかることは敬遠されがちだが、本当はもっと見直されるべきだろう。
例えば防火地域でも、生垣を植える事で、壁を不燃材にする必要を免除するとか、そのくらいのことをしてもいいと思うし、それだけの効果もあるはずだ。
そんな事を考えながら家の周りを歩いてみると、立派な生垣の家がまだたくさん残っているのに改めて気付かされた。嬉しくなって写真を撮ったので載せておこう。
樹種は、この辺りは寒いのでイチイの木が多い。
屋上緑化や壁面緑化も良いが、こういう昔ながらの生垣も悪くない。手入れは大変だけどね。