伝統工法の建前

中川村で木工をやっている友人のH氏。うちの土壁塗りのワークショップにも参加してくれた彼が、自宅を伝統工法で建てようと、半年ほど前から一人でこつこつ材料の刻みをして準備していた。
その家が先日、いよいよ建前の運びとなった。そこで仲間の大工さんと二人、建前のお手伝いに参加。

伝統工法

伝統工法というのは「貫(ヌキ)工法」という言葉に置き換えても良いと思う。今ではすっかり珍しくなってしまった貫工法による住宅。
こうした貫を使った住宅、とても美しいと思うし、強度も机上での計算以上のものがあるというのが建ててみての実感。
伝統工法

そんな伝統的な貫工法の家が、何故珍しくなってしまったのか?一つは法律(建築基準法)の問題があると思う。金物や筋交などの補強材を使わない工法は手続き上敬遠されやすい。その上、今設計の資格を取るのに、そうした伝統的な工法を勉強する必要がないのも大きな問題。国の責任大。

もう一つはとても手間がかかる工法である事。墨付け刻みはもちろん、建前や壁の仕上げなどにも、特別な技術や経験が必要で、現代の大量生産大量消費の構造からはかけ離れている。
建築の場合、現場での作業手間がかかれば、コストに跳ね返るためハウスメーカーなどは工場での加工比率を上げることでコストを抑えている。結果、そうした伝統的な家づくりがやりにくくなってしまっているのが現状。

伝統工法

今回のお手伝いでも人手もたくさんいるし、とても大変な作業であることを改めて実感。でも逆にそれが物の価値になると思うのだが。
こうした、手のかかる家づくりをやりたいと思う人がもっと増えれば良いと思うし、それが本来、正常な日本の姿なんじゃないだろうか、と改めて思った。
Hさん、呼んでくれてありがとう。良い家が出来るのを応援し、完成を楽しみにしています。

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