先日の日食は、あいにくの曇り空。その時間、辺りが少し暗くなった程度で、雲の上で何が起こっていたのかさっぱりわからず残念。いつかどこかで、また日食を見る機会があればいいな。
閑話休題。
先日自動車での移動中、ラジオから流れてきた話題に愕然とした。
某研究室が遺伝子操作で飛べないてんとう虫を作ることに成功。このてんとう虫は飛べないので、畑にとどまり害虫を駆除する。その分農薬を使わずに済み、無農薬栽培の助けになるとして関係者が注目しているそうだ。
でもそれって、本当に環境に良いのだろうか?
てんとう虫は人間に害のある毒針や牙も無く、形や配色も可愛い。おまけに害虫も駆除してくれるということで、益虫の代表選手のように扱われていて、ぼくも小さい頃から好きな昆虫の一つだった。それだけに、とても気になるニュースだ。
遺伝子を操作された固体が自然界に放されることで、生態への影響は全く無いのか。
飛べない事で近い所で交配が進み、例えば、奇形とか攻撃性や毒を持ったりといった、突然変異や予期せぬ方向へ進化が進んだりしないのか。とても心配だ。
今ぼくたちの身の回りには、遺伝子操作で栽培しやすくなった植物や、光る魚など奇妙なモノが随分増えて来た。
だから、飛べないてんとう虫が出来たくらいで、大げさに心配なんて何を今さら、と言われるかもしれない。
でも本当に、人間がそんなモノを作って良いのだろうか。
ぼくは、人間は生命に関しては無力だと思っている。
どんなに小さなものにも、人間は生命を吹き込むことは出来ない。
一度死んでしまったものを、人間がどんなに努力しても、生き返らせることは出来ないのだ。
人が花や野菜を作るのも、それは命を吹き込んでいるのではなく、ただ育てているだけ。命は元々そこ(種の中)にあったのだ。
そんな人間が遺伝子を操作する事で、進化の過程を飛び越えて、簡単に別の動物を作ってしまって良いのだろうか。
人間は生命に対して、もっと謙虚であるべきだ。
そうでないと人間が作り出した生物に、いずれ苦しめられるような気がするのだ。