実は、台湾に行ってからはまっているものがある。それはお茶だ。
台湾のお茶といえばもちろんウーロン茶。今その烏龍茶にはまっている。
少年時代を信州の飯田で過ごしたので、その習慣がいまだに身についているなーと思うことが多いのだが、お茶の好みもその一つ。
長野県では比較的暖かい飯田地方は、県内では数少ないお茶の産地である南信濃村にも近く、緑茶を飲む機会が多かった。
子供の頃から家で緑茶をよく飲んでいたので、いまだにお茶といえばやはり緑茶だ。
ところが結婚して嫁さんの好みがほうじ茶だったのに、ちょっとした驚きを覚えた。
もちろんほうじ茶も好きで以前から飲んではいたのだが、ほうじ茶はすぐに出なくなってしまうので、なんとなくもったいないような感じがしていた。
緑茶の物足りない点ももちろんある。
緑茶はぬるめのお湯でいれるのが良いとされているし、実際高級な茶葉はその方がおいしいと感じる。
でも個人的に、お茶はちょっと熱めのお湯でいれて、ふうふうしながら飲みたいと思うのだ。
その点ウーロン茶は、緑茶とほうじ茶の物足りないところを補っているかもしれない。
最初にウーロン茶を飲んだのは、20年前台湾に行った時だ。
その時は他にお茶がなかったのでなんとなくウーロン茶を飲んでいたのだが、当然そんなに高級な茶葉が買えるはずもなく、安いものを飲んでいたせいかおいしいとは思うものの、どうしてもウーロン茶でなければだめ、と思うほどにはならなかった。
そして長い年月のあいだに、その味もすっかり忘れてしまっていた。
というよりもここ最近、むしろウーロン茶は苦手な飲み物だった。
というのは、あのペットボトルのウーロン茶がどうも口に合わない。
飲むとどうも体の調子が悪くなるような気がして敬遠するようになっていた。
だから台湾に行っても、こちらから積極的にウーロン茶を飲もうとは思っていなかったのだ。
ところが観光で台湾に行くと、どうしてもウーロン茶を飲む機会がある。
観光スポットには必ずお茶屋さんが入っているし、ウーロン茶は台湾土産の定番でもあるのだ。
そこで入った一軒のお茶屋さんで飲んだウーロン茶が、香りもよくびっくりするほどおいしかった。
台湾でウーロン茶を飲む時、専用の茶器があってお湯をかけたり茶葉を洗ったりと、入れ方も結構めんどくさかったりする。
日本人はそこでちょっとつまづいてしまうのだが、今回入ったお店で教えてもらったやり方はとても簡単だった。
茶器は日本のものでも可。ただし小さめの急須と湯飲みを用意すること。
標高の高い産地で栽培していて無農薬で育つため安心。茶葉を洗う必要もなし。
どうしても洗いたければ、葉が充分開いてから洗わないと意味がない。
など、色々教えて頂いた。
更に、そこで売っていた専用の湯呑みは、そこに茶葉を入れ熱湯を注げばそのままウーロン茶が飲める急須要らずのすぐれもので、お茶とともに購入。今我が家で大活躍している。
そしてその湯呑みが、ウーロン茶にはまる一つのきっかけになっているのだ。
この湯呑み、サイズが少し小さめで形が可愛い。傾けた時茶葉が飲み口から出てこないよう先のほうが少しくびれている。その店のオーナーがデザインして台湾の焼き物の産地で作らせたオリジナルの品だそうだ。
器で料理の味が変わる事があるようで、残念ながらそういうことを実感した経験はあまりないのだが、今回はこの器のおかげで毎朝お茶を飲むのが楽しくなった。
今回の茶葉、100グラム買って一回1グラムづつ入れているので100回は飲める計算だ。
マイブーム的なものは普通100回も続くかどうか心配になるのがだが、今回はそれよりもいつ茶葉がなくなってしまうのかが心配だ。
このブーム、まだしばらくは続きそうだ。