流れる星は生きている

8月の終わりから9月10月と、遠いところの仕事もあり、プライベートでもバタバタして落ち着かなかった。
それでも移動や泊りなどが結構あり、その時間を利用してよく本を読んだ。
その中の1冊に懐かしい本があった。それが、藤原てい著「流れる星は生きている」。

中学生の時文化祭で、この本の著者藤原てい先生の講演会を聞く機会があった。その時、全校生徒が読んで感想文を書いたのがこの本だった。今から30年も前の話。
講演で話を聞いた藤原てい先生の印象は、チャキチャキっとした関西人のオバチャンのような人。印象が強く、ずいぶん前のことだが、講演の内容も特に一箇所だけよく覚えている。

「皆さん鉛筆削りを持っていますか?」
という問いかけに、ほとんどの生徒が手を挙げた。
「あー、たくさんの人が持っていますね。でも鉛筆はナイフで削るものです。鉛筆削りは松川へでも天竜川へでも捨てて下さい。今日から鉛筆はナイフで削りましょう!」

天竜川は日本で2番目に長い川で誰でも知っているが、松川というのは地元のローカルな川。とにかくそこへ鉛筆削りを捨ててしまえと言う。
今思えばずいぶん乱暴な話だが、そのココロは、ナイフで鉛筆を削れということ。つまり、安易に便利なものに頼らず、手と頭を使って工夫しろということ。
それからしばらく、鉛筆削りを見るとそのオバチャンの話を思い出したものだ。当時中学生だった我々に、そのオバチャンは強烈な印象を与えた。

「流れる星‥‥」は終戦の混乱の中、藤原ていさんが3人の小さな子供を抱えて、旧満州から朝鮮半島を縦断して引き揚げてきた時の様子を書いたもので、初版が昭和51年となっていたから、僕らが講演を聞いたのは出版してから4、5年後の頃だったようだ。
とにかく小さな子供を3人抱えての引き上げは困難の連続で、よく皆さん無事で帰れたものだと思う。
講演会の時藤原先生が「忍耐に勝る勇気はない」と色紙に書いて学校に下さったのを今でもよく覚えているが、今またこの本を読みながら、そんなことを思い出していた。

今回、この本を図書館で見つけて借りるのには、実はもう一つのきっかけがあった。
2年ほど前「国家の品格」という本がベストセラーとなり、ずいぶん話題になった。そしてそれ以来「大人の品格」だとか「女の品格」だとか、とにかく「○○の品格」という品格ブームが起きたのだが「国家の品格」の著者が藤原正彦氏、つまり藤原てい先生の次男さんなのだ。
その藤原正彦氏が先日、ラジオだかテレビだかで話をされているのを聞いて、そういえば昔お母さんの講演を聞いたなーと思っていた矢先、図書館でタイミングよくその本を見つけたのだ。
ちなみに「国家の品格」はまだ読んでいないが「流れる星‥‥」を読んでからというもの、子供の可愛さ大切さ、ありがたさというものを強く意識するようになった。
それと同時に図書館では、太平洋戦争関連の書物につい手が行ってしまう。しばらくそういう日が続きそうだ。


今回は久しぶりの更新となってしまったが、その間いろいろな事があった。

仕事では、埼玉県越谷市でイオンレイクタウンという巨大なショッピングモールの一角でガーデン作りの仕事をした。これがびっくりするほど巨大なショッピングモールで、例えば、中にスターバックスが3つもある。なんでも日本一の規模なのだそうだ。

また5日ほどの短い間だったが、嫁さんの親父さんのお供でフランスに行って来た。パリを拠点にモンさんミッシェルやモネの家・ジベルニーへの観光、パリではメトロやバスも使ったしセーヌ川の水上バスにも乗った。オランジュリーもケブラリーも見ごたえがあった。色んな人にも会い、とても内容の濃い旅だった。(いつかHPで紹介できるだろうか)

そしてもう一つ。9月に3人目の子供(男)が生まれた。これで我が家は5人家族となったが、そんな事、数年前までは予想も出来なかった。全く不思議な、そしてありがたい事だ。
産科医の不足が全国で問題になっているが、ここら辺(諏訪地域)でも同じ。2年前に二人目を産んだ病院がお産をやめてしまっていて、今回そこでは産むことが出来ない。やむなく嫁さんの実家の近くの助産院で産む事になったのだが、結果的にはそれがとても良かったと思っている。
我々が望んでいたのは自然分娩。でも最近は、自然に生まれるまで放っておいてくれる医者がほとんどいないのだ。
今回も予定日より10日以上遅れたので、自然に産ませてくれるかどうか最後まで気をもんだ。そんな中、その助産師さんとの出会いもあり、何とかギリギリのところで元気に生まれてきてくれた。
そこでも1冊の本が力をくれた。その本も、またいずれ紹介したいと思っている。

自分の子供が3人になり、ちょうど「流れる星‥‥」の藤原てい先生の状況が、少しは想像できるようになったかな。
でも今の自分たちが、あの過酷な状況を乗り越えられるとはとても想像できない。
子供が生まれ、懐かしい本と出会い、色々なことが重なって起こった2ヶ月間だった。

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