丸太足場

20年前台湾にいた時に、ビザの更新のために1度だけ香港に行った事がある。
ちなみにそれ以来、香港には行っていないので、中国返還後の香港はもちろん知らない。
その時印象に残っているのは、建築途中の高層ビルの足場が竹で組んであったことだ。
その頃建築とは全く縁がなかったが、高層ビルという近代的な建物の足場が、竹という自然素材だった事がなぜか強く印象に残っている。

香港を意識しているわけではないが、うちの現場の足場は、状況が許せば丸太で組む場合がある。
以前日本でも、丸太の足場が一般的だったはずだが、今ではすっかり見なくなってしまった。
今日本で足場の主流は、ピケとかビケとかの金属パイプを使った足場だ。

僕が丸太を使って、足場とか小屋を組む仕事を覚えたのは高校時代だ。
夏休みのバイトで、丸太で小さなイベント用のステージの小屋を組んだ。
その時そこにいた職人さんが、丸太の組み方や番線の縛り方を親切に教えてくれた。
そこはさすが高校生、飲み込みも早く、その間に丸太足場の組み方は大体覚えてしまった。
10代の頃体で覚えたことというのはなかなか忘れない。
その後半年ほど勤めた工務店で、丸太足場をいくつか組んだが、高校時代のその経験がとても役に立った。

丸太を使った足場は、危険だといって認められないのが今の風潮だ。
町場で丸太足場で仕事をしていると、「危ない!」と言ってどこかの役人が飛んでくるかもしれない。
でも本当に危険なのは、安全に丸太で足場を組む技術が伝えられない事ではないだろうか。

足場に使う丸太は、植林から10年ほどのスギやヒノキの間伐材が使われる。
そうした小径木の需要が広がることで、林業の助けにもなるはずだと思うのだ。
長野県では、今年度から森林税なるものが個人や事業所に課せられるようになった。
それは決して悪い事ではないと思うのだが、何でもかんでも税金をとろうとする前に、もっと木材の需要の裾野を広げる工夫があっても良いと思う。
何も金属の足場を否定するわけではない。
ただ丸太で組んだ足場を使える余地を残しておく必要があると思うのだ。
足場丸太に限らず、身近にある様々な資源を、無駄なく使えるような行政の制度も必要だと思う。

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