ティカル遺跡

アンティグアの話でグアテマラについてあれこれ思い出していた矢先、先日ラジオから、今度はティカル遺跡の話題が耳に飛び込んできた。
月光写真家石川賢治氏がティカル遺跡で、月の光だけで写真を撮ったときの話をしていたのだ。
石川さんは、ティカルの印象について「何か血なまぐささを感じた」と語っておられたが、僕が初めてティカル遺跡に行った時の印象と極めてよく似ていたので驚いた。

ティカルはグアテマラの北端、ベリーズとの国境近くのジャングルの中にあるマヤの遺跡だ。
西暦300年頃から栄え、今から700年以上前に忽然と姿を消したといわれている。
そんなマヤの遺跡で行われていたのが、太陽の神に生贄を捧げる儀式だった。儀式を行うピラミッドの頂上で、生贄から心臓を取り出して、それを太陽の神に捧げていたという話は有名だ。

僕がはじめてティカルに行ったのは、メキシコ時代、2度目のビザの更新のためグアテマラに行った時だった。
当時メキシコ・シティーで仕事をしていた関係で、3日間しかグアテマラに滞在できる時間がなかった。そのためグアテマラに着いたその日のうちに飛行機を乗り継いでティカルに向かい、翌日にはグアテマラシティーに戻るという、とにかく慌しい日程だった。
この時、ティカルから帰りの空港で「飛行機が満席で乗る事ができない」と言われ、かなりあせったのを覚えている。「どうしても今日中にグアテマラシティーに帰らなければならない」と、ねばった結果、トランシーバーでやり取りをしていた担当者が突然「ついて来い」と言って走り出した。二人で滑走路を走り、止まっていたなんだかよくわからない、20人ほどが乗っっていた小型の飛行機に乗せられて、それでどうにかグアテマラシティーに帰ることが出来た。

その2年後、フリーになった僕は、友人と4人で再びティカルへ行く計画を立てた。この時はメキシコから小さな舟で川伝いにグアテマラに入り、バスでティカルにいくという、なかなかハードな旅だった。
10人乗りほどの小さな舟に4時間程揺られ、いい加減尻が痛くなってきた頃、グアテマラの国境に着いたのが夜の10時過ぎ。それから食事をして、ホテルとも呼べないような狭い部屋で4人雑魚寝をした。翌日バスの出発が夜中の2時。2~3時間の睡眠で、真っ暗な凸凹道をガタガタ走るバスに5時間揺られ、やっとの思いでティカル遺跡の近くの町に到着した。バスの中ではひたすら寝ていたが、バスが激しく揺れるので、窓ガラスに何度も頭をぶつけてその度に目が覚めた。

ティカル遺跡。初めて行った時は、とにかく強い衝撃を受けた。
今から20年近く前のこと。まだ発掘途中のピラミッドがいくつも残っていて、まさにジャングルに埋もれた遺跡、という感じだった。
ピラミッドが丸ごと、木々覆われているようなド迫力のものもあったし、そこら辺に転がっている苔むした石の一つ一つが、実は複雑な彫刻の施された過去の遺産だった。
圧巻だったのが、高いピラミッドの上から見た、ジャングルの中に点在するピラミッド群だ。特に、4号神殿の上から見た光景は衝撃的だった。その頂上には僕以外誰もいなかった。時間を忘れ、ひたすらジャングルの中から突き出した遺跡群を眺めていた。その時感じたのが、血なまぐささだった。

ティカルと聞いただけで、そんな昔の記憶が次々とよみがえってくる。
アンティグア同様、ティカルの遺跡も世界遺産に登録されたようだ。
ジャングルの中に佇む過去の遺産、いつまでもそのまま残っていてほしい。そして、いつかまた行ってみたい場所だ。

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