お金がないのは悪い事か

ここ数日、工房の工事を集中的にやっている。
今は、壁を作るのが主な作業だ。
奥の壁は畳を貼って、気候が暖かくなったらその上に土を塗る予定だが、問題はその他の壁を何にするかだ。

思いたって、時々材料を注文する製材所に、傷物の板がないか聞いてみた。
いわゆるB級品というやつで、洋服やかばんなどと同様、建材でもそういうモノが出ることがあるのだ。
答えは「今在庫はありません」。
まあB級品といえどもただではないので、それなりの出費は覚悟していたが、モノがないのでは仕方がない。他の物を探すまでだ。

もちろん古畳も考えたが、古畳こそ無い時にはなかなか手に入らない。
それにとにかく今は、出来るだけ早くやってしまいたい。
そこで今回は、普通屋根の下地に使う野地板を壁に張ることにした。
窓は、以前知り合いの現場の解体を手伝った時もらっておいたアルミサッシの中に、サイズの合うものが3つあったのでそれを付けた。

野地板というのは、屋根や天井の間で隠れてしまう事が多く、寸法も短くサネなどもついていない。
製材所では、大きな材を挽いた後に残ったハンパな木材を使って作ることが普通で、要するにあまり手がかかっていない分、比較的安い材料ということなのだ。
今回は近くの製材所で、一応巾を揃えてもらって、残りの壁を張るのに必要な量を入れてもらった。
サネがないので、板と板の間に隙間があって見た目が悪いし、風が抜けてしまうが、それは後で桟を打って塞げばいいだろう。

工房

釘打機を使い、2日ほどでほとんど張り終わったが、途中打機の釘がなくなってしまった。
通常の仕事ではそういう場合、すぐ買いに走るのだが、今回は「ちょっと待てよ」と考えた。
今使っているロール釘(打機用の釘)は、錆びないようにメッキがしてあって、たまたまあったから使っているが、買うと一箱5千円はする代物なのだ。
何しろ自分の工房に、あまり金はかけたくない。と言うかかけられない。
倉庫には、今まで現場で少しずつあまったり引き上げたりして、サイズや素材の違う色んな種類の釘がたくさんあることを思い出して、それを使う事にした。
工房

5千円といえば、通常建築の予算の中ではたいした金額ではない。
むしろ普段なら、5千円払っても人件費が少なくて済むなら、釘打機の釘を買ったはずだ。
でも今回は予算が無い事で、逆にあれこれ工夫をするという結果が生まれたのだ。
そこでハタと思った。お金があるという事は、あれこれ工夫をする必要がないという事ではないか。

世界中の国と比べて、日本は金持ちである時期が長い間続いている。
でもその間に失ったものが、たくさんあるような気がするのだ。
金を払えばなんでも手に入る、と日本国中が錯覚している。

毒入り餃子の問題で、日本の食料自給率が著しく低い事が問題として取り上げられているが、実は何でも金で解決する今の日本の貧しさが、逆に浮き彫りになっているような気がする。
お金があるということは、確かに一面では豊かではあるけれど、失う物もあるのだということをよく考えなければいけない。
反対にお金がない事で、工夫したりアイデアを出すことがとても新鮮で楽しかったりする。
そんな事を考えながら、今ある材料で、工房作りは進んでいる。

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