「土」と「左官」セミナーに参加

7月15日東京で行われた、新建新聞社主催、「土」と「左官」セミナーに参加。

土と左官セミナー

会場となった明治薬科大学「剛堂会館」。

土と左官セミナー

定員90名ということで、この後、定刻の午後1時には、会場はほぼ一杯に。

土と左官セミナー

今回の講師陣4名。
それぞれの分野の、第一線で活躍されている方々。

土と左官セミナー

まず最初は基調講演として、日本大学教授・泉幸甫建築研究所代表 泉 幸甫氏が登壇。
「設計事務所に入ったころ、工業化された人工物に魅力を感じず反発、そこから自由で伸びやかな左官の仕事や土壁に共感を得て、それが今の仕事につながっている。」
長年積み重ねて来られた経験と、感性を大事にする左官仕事へのリスペクトが感じられる、深く楽しい話を聞かせて頂いた。

土と左官セミナー

小休止の後、事例発表のトップバッターとして、京都で現役の左官として数多くの仕事を手掛けられる側ら、土壁の研究で博士号を取得し、自ら土壁の伝道師と称して全国を飛び回って活躍されている、佐藤左官工業所 佐藤 ひろゆき氏が講演。
佐藤氏の話は、職人として長年現場に出ていたからこその経験談と、土壁を現代の科学で掘り下げるという両面からの話題が満載で、40分の持ち時間があっという間。
目からうろこの話の連続で、大変興味深く、勉強になった。

土と左官セミナー

お次は、名古屋で工務店を営む、勇建工業 加村 義信氏。
加村氏は、建築工房 藁 ともお付き合いが深く、木摺りパネルや1合炊き漆喰かまどの発案者でもある。
左官業から発展した工務店の成功例として、氏の経験や仕事への取り組み事例は、とても参考になった。

土と左官セミナー

最後は、香川県高松で土壁の研究に取り組んでおられる、土壁ネットワーク・田園都市設計 大西康弘氏。
今年の4月高松土壁セミナーに参加した際お会いしたが、それ以来、一度じっくり話をお聞きしたいと思っていた。
「土壁ネットワーク」の研究・情報収集力はずば抜けていて、他ではできないことを次々と実現している印象。
設計計画も洗練されていて、すぐにでも取り入れたいアイデアに溢れていた。

土と左官セミナー

その後のフリートーク・質疑応答でも活発な意見が交わされ、時間切れで第1部が終了。

第2部は場所を変え、近くのホテルで懇親会が行われた。
同じ長野から参加されている方ともお会いでき、他にもさまざまな方と話をすることが出来た。
懇親会の間、ほとんど佐藤さんの横で、周りの方の質問に答える佐藤さんの深い話を伺うことが出来たことは、感動ものだった。

土と左官セミナー

土壁と左官の世界。
一見、一般人には無関係のように思えるが、人が「家」に住む以上、本当は決して関わりを断てない世界なのだ。
今回のセミナーに参加して、改めて土壁の良さ・必要性を再認識した。
ご案内くださった新建ハウジングの竹内さん、今回お会いした皆々様、ありがとうございました。

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