パーマカルチャーを通じて知り合ったおヒゲさんから、自宅で育てたというグレープフルーツが届いた。
ちょうど同じ日、辰野町に住む家具工房一木さんを訪ねたら、実家で実ったというハッサクと夏みかんを頂いた。
そういうのって、重なるものだね。
自宅の庭で柑橘系の実がなるなど、信州生まれの僕にとってはとても羨ましい。
信州でこの時期、樹になる実といえば、リンゴか柿が代表選手。
子供のころ、通学路の周辺はリンゴの果樹園が多かったし、柿の木もほとんどの農家の庭に植わっていて、通学途中時々失敬したものだ。(今ならきっと大問題、おおらかな時代でした)
グレープフルーツで思い出すのは、メキシコ時代、南部の街で暮らしていた時のことだ。
毎週日曜日、日系二世の竹村さんのお宅で日本語教室があり、そこで日本語を教えていた。
授業のある時は、前の日から泊めて頂いた。
竹村さんは農場を持っておられて、そこへもよく連れて行ってくれた。
農場にはたくさんの牛が放牧されていて、そこで馬に乗ったり川で泳いだり、時には牛の数を数える手伝いもした。
その農場には休憩するための小屋があり、その小屋の前に一本、立派な実をびっしりと付けたグレープフルーツの樹があった。
竹村さんのお父上が建てたというその小屋と、大きなグレープフルーツの樹。
その対比が、一枚の絵のように脳裏に焼き付いていて、グレープフルーツを見ると、今も時々その光景を思い出す。
頂いたグレープフルーツは、おヒゲさん曰く、ポン酢にしてもおいしいとのこと。
この実を付けたのは、いったいどんな樹なのだろう。
そんな想像をしながら、ポン酢づくり、早速やってみよう。