子供の頃、家の近くに「牛草坂」という名前で呼ばれていた小さな坂道があり、雪が降ると近所の子供たちのソリ遊びのスポットになっていた。
その頃のソリと言えば、自分たちで竹を曲げて作った手作りの物ばかりで、滑っている途中で竹が折れたり壊れたりというのは当たり前、むしろそりが壊れるまで遊ぶ、という感じだった。
牛草坂を降り切ったところには小川が流れていて、ソリに乗ったまま勢いよくそこに落ちて、ずぶ濡れで震えながら帰ったこともある。
高校に入って帰省した際、久しぶりに牛草坂の前を通ったが、こんなに狭く短い坂だったのかと驚いたものだ。
今は一体どうなっているのだろうか。
子供の頃から、雪が降った時の遊びと言えばソリで決まりだった。
今日のこの大雪で、うちの子供たちも外で遊びたくてうずうずしている。
夕方、雪が小やみになったところで親たちは雪かき、そして子供たちはソリをして遊ぶこととなった。
自宅の裏には大きな森が広がっている。
最近、前の畑のおじさんが管理をしていて、手入れが行き届いた林が気持ちいい。
子供たちを遊ばせてもいいと言ってもらっているので、普段子供たちも自由に出入りしている。
その森の坂を利用して、ソリが出来る道を作った。
新雪は柔らかすぎて、そのままでは滑るどころかまともに歩くことも出来ない。
圧雪することで道を作り、それでようやくソリで遊ぶことが出来る。
やっぱり親って大変だ。
それでも子供たちの楽しそうな表情を見たり、嬉しそうな声をきいていると、ついやってあげたくなる。
自宅の玄関先でこんな遊びが出来るなんて、本当に恵まれている。
これだけでも田舎に住む意味があるというものだ。
それにしてもよく降った。
以前作った小屋の屋根が豆腐を載せたようにかわいい状況になっていて、思わず笑ってしまった。
雪が降ると大変だけれども楽しい。
なんだか人生と似ているかな。