カヌー

もう10年以上前になるが、カヌーイストの野田知佑さんに影響を受けて、カヌーを買った。フェザークラフトのホールディングカヤックで、結構高い買い物だった。
当時、野田さんにはまっていて、出ている本は全部読んだし、連載があった雑誌なども読み漁った。あのストレートな文章と、思い通りに生きる潔さが好きだった。
いつか行ってみたいと、ユーコンにも憧れたものだ。
年数だけは経っているので、カヌー歴十数年と威張って言えるが、全くのペーパードライバーで、実際は数えるほどしか乗っていない。

最初にそのカヤックに乗ったのは、吉野川だった。
秋も終わりの頃で、何とか沈しないように慎重にパドルを漕いだ。
長野の実家に戻ってからは、近くの天竜川で乗るようになった。
実家から天竜川まで、車で10分程の距離だ。

一度、電車を使って一人でツーリングをしたことがある。
先ず、カヌーを背負ってバイクで天竜川に向かう。バイクと荷物はそこに置いて、カヌーを組み立てて出発だ。
船下りで有名な弁天港を出発、途中浅瀬や急流があり、初心者にはスリル満点だ。岸にいる人が手を振ってくれたが、返す余裕もない。天竜峡を通過すると、だんだん流れが緩やかになり泰阜ダムの手前で上陸、約40分程だったと思うが楽しかった。
上陸したらカヌーをたたみ、近くの駅で電車を待つ。天竜川は流れに沿って電車が通っているので、駅をめがけて上陸すればそんなに歩かずに済む。
電車で実家に戻り、車でバイクを取りに行けばツーリング終了だ。
ただこれは、カヌーに乗っている時間よりも、電車を待ったり移動している時間のほうが長いし、それに何かとめんどくさいのでそれっきり、一度だけしかしていない。
その後従弟と二人で、車とカヌーを交互に乗り換えて川下りをしたが、そのほうがはるかに効率が良かった。
カヌーに乗ると当然体が濡れてしまう。沈すれば全身ずぶ濡れだ。ドライスーツなんか持っていないし、暖かい所ならいいが、長野県に住んでいると夏以外はちょっと乗る気がしない。やはりカヌーは暖かい所の乗り物だ。

一度そのカヤックを、海水浴に持って行ったことがある。
海水浴といっても砂浜ではなくて、日本海の岩場の海水浴場だ。
これはホントにおもしろかった。水着でカヤックに乗り込むのでいくらぬれても平気だし、泳ぐよりも早く移動できる。たまたま波を捕らえると、ちょっとしたサーフィン気分も味わえるし、カヌーに乗るなら海だなと実感した。

仕事で沖縄に行った時、シーカヤックが盛んで、ツアーなどがたくさんあるのに驚いたものだ。
那覇からフェリーで1時間半ほどの距離を、シーカヤックで行ってしまうのだ。当然1日では行けないから、途中の無人島で1泊するという。なんとも楽しそうなツアーで、もう少し若ければ参加したい所だが、早さやテクニックや距離を競うというよりも、だらだらと気が向けば乗る派なので、そういう過酷なものは向いていない。
そう考えると、やはり川下りの利点は、漕がなくても進むことかな。
だらだらカヌーをやるには、野田さんのように、九州や四国辺りの暖かい所に移住するのが良いんだろうな。それで食っていければの話だけど。

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